建設業許可申請業務のススメ

建設業許可申請業務のススメ

 

 

 

新人行政書士の皆さんが、自身の専門分野を検討する際、真っ先に候補に挙がるのが「建設業許可」だと思います。

 

しかし、単に「定番だから」という理由だけで選ぶのはもったいないほど、この業務には深い魅力と戦略的価値が秘められています。

 

2025年(令和7年)12月の改正法が施行された今、専門家として知っておくべき「この業務に取り組むべき真の理由」を詳細に解説します。

 

 

行政書士経営の「安定」を支えるストック型ビジネスの側面

 

 

建設業許可業務の最大の魅力は、一度の申請で終わらない「継続性」にあります。

 

@ 5年ごとの更新制度

 

許可には5年の有効期限があり、事業を継続する限り更新申請が必ず発生します。

 

A 毎年の決算変更届(事業年度終了届)

 

建設業者は、毎事業年度終了後4ヶ月以内に、その年の実績を報告する義務があります。

 

B 随時の変更届

 

役員の変更や営業所の移転、専任技術者の交代など、事業の動きに合わせて届出が必要になります。

 

これらの手続きを通じて、クライアントと長期的かつ密接な関係を築くことができます。

 

これは、単発のスポット業務とは異なり、行政書士事務所の経営において非常に強力な「安定基盤(ストック)」となります。

 

 

「事業存続のライセンス」を支える守護者としての役割

 

 

現代の建設業界において、許可は単なる行政上のルールを超え、「事業を営むためのパスポート」としての意味合いを強めています。

 

@ 軽微な工事の枠組みの縮小

 

法令上の「500万円未満(建築一式は1,500万円未満)」という基準は据え置かれていますが、資材費や労務費の高騰(インフレーション)により、実質的に無許可で請け負える工事の範囲は年々狭まっています。

 

A コンプライアンス要件の厳格化

 

元請企業や発注者、さらには金融機関から、法定基準以下の小規模工事であっても「許可業者であること」が取引の絶対条件とされるケースが常態化しています。

 

許可の取得・維持をサポートすることは、クライアントのビジネスチャンスを広げ、倒産や廃業のリスクから守るという、社会的意義の大きい仕事です。

 

 

令和7年12月改正がもたらした「コンサルティング」の需要

 

 

2025年(令和7年)12月12日施行の改正法は、単なる数字の変更(特定建設業許可の基準額引き上げ等)ではなく、インフレ時代に対応するための「パラダイムシフト」です。

 

@ 戦略的区分の選択

 

改正により、一般建設業許可のまま対応できる工事の幅が広がりました。
これにより、「あえて特定許可を維持するのか、一般に切り替えるのか」という経営判断が必要になっています。

 

A デジタル化への対応

 

行政手続きのデジタル化が進み、未提出書類や法令違反の把握が迅速化しています。

 

新人行政書士であっても、これら最新の法改正知識を備えていれば、ベテランに負けない「戦略的なアドバイス」が可能となり、高単価なコンサルティング案件への足がかりとなります。

 

 

建設業界の構造的課題(三重苦)に立ち向かうやりがい

 

 

現在の建設業界は、「資材価格の高騰」「深刻な労働力不足」「働き方改革への対応」という、いわゆる三重苦の構造的課題に直面しています。

 

@ 法令遵守による業界健全化

 

社会保険への加入義務化や施工体制の透明化をサポートすることで、建設現場で働く人々の環境改善に寄与できます。

 

A 持続可能な経営の提案

 

「適正な経営体制」「確かな技術力」「健全な財務基盤」という許可の4つの柱を整えるプロセスは、そのままクライアントの経営体質を強化することに繋がります。

 

 

まとめ

 

 

建設業許可申請は、書類を作成するだけの作業ではありません。

 

建設業法という法律を武器に、日本のインフラを支える経営者のパートナーとなる仕事です。

 

令和7年の新基準を正しく理解し、複雑な証明書類をパズルのように組み立てていくこの業務は、知的好奇心を満たしつつ、地域経済に貢献できる最高のフィールドです。

 

このサイトを通じて、プロフェッショナルとしての第一歩を共に踏み出しましょう。

 このエントリーをはてなブックマークに追加 

ホームページ作成マニュアル ブログ作成マニュアル
名刺作成マニュアル 職印作成の作法
書式 実務講座


関連ページ

建設業許可申請業務の流れ(手続の全体像)
建設業許可申請の全体像を徹底解説!初回ヒアリングから許可取得、更新まで新人行政書士が押さえるべき実務フローを完全網羅。令和7年改正対応の金額基準、要件診断の落とし穴、裏付け資料の精査ポイント、審査期間の目安まで実践的ノウハウを公開。経営業務管理責任者・専任技術者の証明方法、財務諸表作成、決算変更届など継続サポートの重要性も詳説。クライアントの事業継続を支える行政書士必読ガイド
建設業許可の標準処理期間まとめ(大臣許可/都道府県別)
建設業許可の標準処理期間を全国自治体別に完全網羅!行政書士実務向けに知事許可2〜3ヶ月、大臣許可4〜5ヶ月の審査期間目安、各都道府県の公式手引きPDF・URL、補正対応の注意点を北から南まで徹底解説。依頼者への期間説明、申請前精査のポイントも実務ベースで紹介。
建設業許可の必要性の判断:なぜ今、「無許可」での営業が限界なのか?
建設業許可は本当に必要?2025年最新の判断基準を行政書士が徹底解説。500万円・1,500万円の金額基準、消費税込の落とし穴、インフレ影響による無許可営業リスク、取引条件としての実務上の必要性まで完全網羅。「軽微な工事だから不要」は危険!令和7年改正法対応・施工場所の誤解も解消。新規開業から事業拡大まで、許可取得の戦略的判断を実例付きで解説します。
許可の対象となる建設業の種類の選択(29の業種区分)
建設業許可29業種の選び方を行政書士が徹底解説。一式工事と専門工事の違い、とび・土工vs解体など判断が難しい業種の境界線、令和7年改正法の影響まで実務で使える判断基準を網羅。業種選択ミスによる無許可営業リスクを回避し、クライアントに最適な許可取得を提案するためのヒアリング極意も公開。新人行政書士必見の業種認定完全ガイド
建設業許可の該当性判断(許可の種類)
建設業許可の種類判断で迷っていませんか?令和7年改正対応版として、大臣許可・知事許可の区分、一般・特定の金額基準(5,000万円/8,000万円)を実務視点で徹底解説。新人行政書士が押さえるべきヒアリングの極意、営業所の実態確認、財務要件クリアの戦略まで完全網羅。該当性判断ミスによる不許可を防ぎ、クライアントに最適な許可区分を提案できるプロフェッショナル向けガイド。建設業法改正の最新情報を今すぐチェック。
「国土交通大臣許可」と「知事許可」(許可区分)
「国土交通大臣許可」と「知事許可」の違い、そして「営業所」の概念を正確に理解しておきましょう。なお、「知事許可」を受けた場合、営業所が同一の都道府県内にあれば良く、仕事自体は他府県で行うことも許されます。
「特定建設業許可」と「一般建設業許可」の区別
令和7年12月12日施行の改正建設業法による「一般建設業」と「特定建設業」の新基準を完全解説!建築一式8,000万円以上・その他5,000万円以上への金額引き上げ、財務要件4基準(資本金2,000万円・自己資本4,000万円・流動比率75%・欠損比率20%以下)の厳格化、1級国家資格者配置義務、指定建設業7業種の特則、5年更新時の降格リスクまで網羅。新人行政書士が知るべき区分判断の実務ポイントと経営戦略的アドバイス手法を徹底指南。インフレ時代に対応した最適な許可形態選択で顧客の信頼を獲得する方法とは?
「法人の許可」と「個人の許可」:主体別の留意点と実務の急所
【2025年最新】建設業許可「法人vs個人」完全比較ガイド|令和7年12月改正対応。許可の帰属性・経営管理能力・社会保険義務・特定許可の財産要件(資本金2,000万円/自己資本4,000万円)を徹底解説。法人成りのタイミング・定款変更・欠格要件まで新人行政書士必読の実務戦略。CCUS時代の個人事業主リスクと法人化メリットを具体例で理解
「新規の許可」「許可の更新」「業種の追加許可」の区別
建設業許可の「新規」「更新」「業種追加」の違いを完全解説。令和7年12月改正で特定建設業の金額基準が5,000万円/8,000万円に引き上げ。普通新規・許可換え新規・般特新規の3パターン、更新時の決算変更届5年分提出義務、業種追加の専任技術者要件など実務必須知識を網羅。許可の一本化で更新コスト削減、特定から一般への戦略的切り替えなど行政書士が提案すべき最適化手法も詳述。審査期間1〜4ヶ月、手数料5〜9万円の目安付き。
建設業許可の六大要件:許可取得を阻む「6つの壁」の全体像
建設業許可の六大要件を令和7年改正法対応で完全解説!経営管理能力・専任技術者・誠実性・財産的基礎・欠格要件・社会保険加入の判断基準と実務ポイントを行政書士向けに網羅。特定許可基準額8,000万円・5,000万円への引き上げ、インフレ対応の新基準、受任可否判断の急所まで2025年最新情報で徹底ガイド
@経営業務の管理を適正に行うに足りる能力があること【令和2年建設業法改正の目玉】
建設業界の取引の安全を担保するための許可要件が「経営業務管理責任者」です。つまり許可を与えるにふさわしい過去の経験と役職を持つ者が人的要件として要求されます。ただし、高齢化した業界を維持させるために令和2年の改正でこの要件は緩和されています。
A適切な社会保険への加入(健康保険・厚生年金保険・雇用保険)
建設業許可の必須要件「適切な社会保険への加入」を令和7年改正法対応で完全解説。健康保険・厚生年金・雇用保険の加入義務判断基準、法人と個人事業主の決定的な違い、ケイカン・センギの常勤性証明との関連、確認書類の実務ポイントまで新人行政書士が押さえるべき全知識を網羅。未加入は即不許可のリスク、CCUSとの連携強化など2025年12月最新の実務環境も詳述します。
B専任技術者(センギ)の要件:施工品質の要となる「現場のプロ」の証明
建設業許可の専任技術者要件を令和7年改正対応で完全解説。一般・特定の違い、国家資格・実務経験10年の立証方法、指定建設業7業種の特則、ICT活用による配置緩和まで行政書士が実務視点で徹底ガイド。センギ要件で許可取得を成功させる必須知識
C請負契約に関して誠実性があること:コンプライアンスの門番
建設業許可の誠実性要件を徹底解説!新人行政書士が見落としがちな審査対象者の範囲、不誠実な行為の4類型、行政処分歴の影響を実務視点で解説。令和7年改正対応。役員の他社での過去や契約トラブルのヒアリング手法、暴排条項の確認ポイントまで、不許可リスクを回避するプロのコンサルティング技術を公開。欠格要件との使い分けで建設業許可申請の成功率を高める戦略的アプローチを習得できます。
D請負契約を履行するに足りる財産的基礎または金銭的信用性
一般建設業許可は財産的基礎又は金銭的信用性が要件となります(500万円以上の自己資本額または資金調達能力)。特定は財産的基礎だけ(欠損の額が資本金の額の20%未満、流動比率が75%以上、資本金の額が2,000万円以上)です。
E建設業許可の欠格要件【要注意!納入した申請手数料は返ってきません!】
申請者、申請書類毎に欠格事由があります。申請後に判断されるので欠格事由が判明し建設業許可を受けられなくても手数料は返還されません。なので申請前に行政書士が慎重に判断する必要があります。特に法人申請の場合の役員の犯罪歴は要注意。
最新版:建設業許可事務ガイドラインのまとめ【新人行政書士必見!】
【最新版】建設業許可事務ガイドライン全51ページを完全解説!新人行政書士でもすぐ実務に使える常勤役員等・専任技術者の要件、申請書類の書き方、よくある不備事例まで網羅。令和7年2月改正対応。図表付きで分かりやすく解説します。

ホーム RSS購読 サイトマップ
自己紹介 登録申請まで 申請後〜開業前 営業 実務 行政書士試験