建設業許可の必要性の判断

建設業許可の必要性の判断


【目次】

 

 

建設業許可申請の相談を受けた場合に、最初に判断しなければいけないのが
建設業許可の必要性です。

 

まずは手続全体の中の位置づけを確認しましょう。

 

 

 

(1) 依頼者と相談(打ち合わせ)

 

* チェックリスト等で要確認事項を隈なくチェックする

 

    ↓
(2) 検討作業

 

@ 建設業許可が必要なケースであるかを検討 ←ここです!!
    ↓ 必要な場合
A どの種類の建設業を選ぶかを検討(業種区分)
B どの種類の建設業許可に該当するかを検討(許可区分、般・特区分等)
C 要件(5つ)を満たしているかを検討

    ↓
(3) 申請書類の作成
    ↓
(4) 申請
    ↓
(5) 審査
    ↓
(6) 許可

 

* 知事許可→大体1〜2カ月
  大臣許可→大体3カ月

 

 

 

許可が不要な場合

 

 

発注者保護の観点から、建築業を営むためには、原則として国や都道府県から許可を受けなければならないことになっていますが(建設業法第3条第1項本文)、
例外として許可が不要な場合があります(同但書)。

 

そして、許可が不要な工事を「軽微な建設工事」と言います。

 

相談を受けた案件が、この「軽微な建設工事」に該当しないかを、まずはっきりさせてください。

 

 

なお、その判断基準は建設業法施行令第1条の2に定められています。

 

 

(法第三条第一項ただし書の軽微な建設工事)

 

第一条の二 法第三条第一項ただし書の政令で定める軽微な建設工事は、工事一件の請負代金の額が五百万円(当該建設工事が建築一式工事である場合にあつては、千五百万円)に満たない工事又は建築一式工事のうち延べ面積が百五十平方メートルに満たない木造住宅を建設する工事とする。

 

2 前項の請負代金の額は、同一の建設業を営む者が工事の完成を二以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の額の合計額とする。ただし、正当な理由に基いて契約を分割したときは、この限りでない。

 

3 注文者が材料を提供する場合においては、その市場価格又は市場価格及び運送賃を当該請負契約の請負代金の額に加えたものを第一項の請負代金の額とする。

 

 

すなわち、
@ 一件の請負代金が500万円未満の工事の場合は、許可が不要となります。

 

「代金500万円」とは、消費税を含んだ額です。
まずは、この点を、ヒアリングで確認する必要があります。
そして、500万円未満の工事であれば許可は不要となるので、その旨を依頼者にお伝えします。

 

注意!

 

・工事を分割して請け負う場合は、全体を一つの工事とみなして合計金額で判断します。ただし、許可を不要とするための分割ではないといえる正当な理由があれば、この限りではありません(令1条の2第2項)

 

・注文者が原材料を提供している場合は、その価格と運送費を請負契約の代金に加算して判断します(令1条の2第3項)

 

 

A ただし、「建築一式工事」の場合は、請負代金が1500万円未満の工事または延べ面積が150uに満たない木造住宅工事の場合に、許可が不要となります。

 

建築一式工事」とは、原則として元請業者の立場で総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事をいい、大規模かつ複雑で、専門工事では施工困難な建設工事や、複数の専門工事を組み合わせて施工する建設工事の事を指します。

 

わかりにくいですよね?

 

大雑把にいえば、マンション1棟をドカンと立てるような工事をイメージしてもらえれば良いです。そして、そんな大規模な建築工事の許可申請の依頼が新人行政書士の事務所に来るはずはありません。なので、皆さんは通常の工事を前提として勉強をしてもらえれば、とりあえずは良いかと思います。

 

 

 

許可が必要な場合

 

 

建設業法第3条第1項、及び建設業法施行令第1条の2の規定の意味、わかりましたでしょうか?

 

上記@、Aに該当しない場合には、必ず許可が必要となります。
元請、下請を問いません。

 

要するに「」として軽微な建設工事以外の工事の完成を請け負う場合には、
許可が必要となるのです。

 

工事施工時ではなく、請負契約締結時に必要です。着工時に許可を得ていても、契約締結時に許可がなかったことが発覚すると建設業法違反となり罰則が科せられます。

 

 

そして、許可が必要な場合には、
業種と許可の種類を判断した上で、
取得しようとする業種の要件を満たしているかを検討することになります。
要件の詳細については後ほど説明していきます。

 

 

 

許可が不要な場合は何もしなくていいのか?

 

 

では、建築業の許可が不要な場合は何もすることがないのでしょうか?

 

いえ、そうではありません。
他の法律により登録届出をしなければならない工事もあります。

 

 

具体的には
@浄化槽工事業を営む場合は、
 請負金額に関わらず「浄化槽工事業」の登録又は届出が必要になります。

 

A解体工事業を営む場合は、
 平成13年12月以降、請負金額に関わらず「解体工事業」の登録が必要になります。
 ただし、建設業許可のうち「土木工事業」、「建築工事業」もしくは「とび・土工工事業」の
 いずれかの許可を受けている場合は登録の必要はありません。

 

B建設業許可を受けて電気工事業を営む場合は、
 「電気工事業の業務の適正化に関する法律」に基づき、建設業許可とは別に電気工事業の届出が
 必要になります。

 

きちんと確認し、依頼者に説明をして、必要な手続きをしなければなりません。

 

 

また、今回の工事は「軽微な建設工事」であったとしても、
今後500万円以上の工事を請け負うことを依頼者が想定しているのであれば、
許可を取得することを勧めましょう。

 

また、500万円以上の仕事の受注を予定していなくても、建設業許可がないと業者としての信用が低くなり、仕事を受注できないケースも増えます。
例えば、500万円未満の工事であったとしても建設業許可を持っている業者にしか工事を発注しないという元請業者は多いのが現状です。
また、家のリフォーム工事を個人が発注する場合に、銀行から融資を受ける条件として建設業許可を取得している業者しか選べないといったこともあります。
そのような業界の現状を説明し、今後のために許可を取得することも検討するよう業者様に勧めましょう。

 

自分の売上のためではなく、それが依頼者のためだからです。

 

 

 

まとめ

 

 

相談の際には、最初に建設業許可の必要性を検討する。

 

基準は以下の通り

 

 

「建築一式工事」→1500万円未満の工事または延べ面積が150uに満たない木造住宅工事の場合は
         許可が不要

 

「それ以外の工事」→一件の請負代金が500万円未満の工事の場合は、許可が不要

 

 

 

許可が必要な場合は、
業種と許可の種類を判断した上で、要件の検討に進む。

 

許可が不要な場合は、
他の法律で登録等が要求されていないかを確認する。

 

 

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