【内訳あり】行政書士事務所開業に必要な費用は?
【目次】
「行政書士事務所を開業するためにどれくらいの費用が必要なのか?」
行政書士として独立を考えている人にとっては
最も関心のあることの一つだと思います。
そこで、この点についてお答えします。
結論
事務所開業までに必要な費用は「90〜100万円」です。
これは私(キヨシ)が概算した数字です。
内訳は以下の通りです。
内訳
* 青色のテキストリンクをクリックすると解説ページに飛びます(別窓)
1 行政書士会への登録料 計28万円程度
- 入会金 20万円程度
- 登録手数料 2万5千円程度
- 会費 2万円程度(3か月分)
- 登録免許税 3万円
2 通信手段の確保 計5〜8万円程度
- 回線工事費 約2〜4万円
*ただし、キャッシュバックを受ければ実質0円(さらに条件次第では5〜10万円バック)
- 電話機 約1万円
- 複合機 約3〜5万円
3 ホームページ・ブログ作成 計7万円程度
5 事務所備品(机、応接セット、キャビネット等) 総計10〜15万円程度
* 事務所用品は最もコストカットができる部分です。
中古品や組み立て品を購入してできるだけ費用を抑えましょう。
しっかり探せば10万円程度に抑えることも可能です。
6 書式 5万4千円
7 職印、ゴム印等 計2万円程度
- 職印 約1万円
- ゴム印 約6千円
- 銀行印 約3千円
- 印鑑ケース 約1千円
8 表札(看板) 5千円〜1万円程度
9 実務の勉強(講座、書籍) 約30万円〜
* 開業してから3年くらいは相当勉強しなければいけません。
専門書も徐々に増やして読み込んでいきます。
以上の総計が約90〜100万円です。
補足
「ずいぶん安いな。こんなんで大丈夫なのか?」
と、思われた方がほとんどでしょう。
しかし、上記の見積もりは安さ≠セけを追求して出したものではありません。
@ 顧客に満足してもらえるサービスの質を保つことを大前提として
A その環境を整えるための費用を最小限に抑える
という基準で概算したものです。
私自身が多くの開業準備金を用意できなかったことから、
サービスの質とコストカットを両立できる手段を徹底して探求した結果が、これです。
詳しい内容はそれぞれの項目を読んでください。
実際に私自身が上記の見積もり通りに行政書士事務所を開業して順調に成長できていますし、
私がアドバイスした新人行政書士も同じようにして上手くやっています。
決して質の低い事務所運営にはならないと思っています。
ただし、上記の「90〜100万円」という金額は事務所開業までに支出してしまう金額です。
そして、開業後にも営業等で資金を使います。
なので、100万円だけ準備すれば良いということではありません。
開業してすぐに安定して仕事が入り続けることは期待できませんので
少なくとも1年分程度の生活費は用意しておくべきです。
また、上記見積もりは「自宅兼事務所」で開業することを前提としています。
もし、「独立事務所」を借りて開業するというのであれば、
敷金と1年分位の事務所維持費は用意しておかなければいけません。
当たり前のことですが、
大きな規模の事務所を構えようとするのであれば、
必要となる開業資金もそれだけ増えることになります。
ですから、開業資金をいくら準備すれば良いのかは、
それぞれが考えている事務所運営によって変わってくることになります。
ただ、多くの新人行政書士の方々は、
私のように少ない資金で事務所を開業するものと思われます。
なので、
とりあえず最低限度の「90〜100万円」と、
開業後の営業活動費、生活費を準備してから
事務所を開業してください。
生活費はそれぞれの生活環境で違いますが、経営が軌道に乗るまではできるかぎり節約しましょう。(私は実家で開業したので、生活費はほぼゼロでした。なんとも恵まれた、いや、情けない新人行政書士でした・・・)
開業後に使う営業活動費も人それぞれですが、少なくても月に2〜3万円程度は投資したいところです。新人はとにかくお金を使ってできるだけ多くの人に自分の存在を認知してもらわなければいけません。
懇談会や異業種交流会等に積極的に参加しましょう。チラシ配布等にも挑戦すべきです。
資金が足りない人は開業後もバイトしながら事務所運営をするという手もあります。
私も開業後4カ月位は早朝のコンビニバイト、土日のポスティングのバイトをしていました。やればなんとかなります!独立開業は気合です!
また、融資を受けるという手もあります。
いや、行政書士事務所の開業も起業≠ネのですから、本来ならばバイトなどで貴重な時間を売るよりも、融資を受けて早く事業を軌道に乗せることを考えるべきなのでしょう。(私は怖くてできませんでしたが・・・)
まとめ
事務所開業までに支出する費用
90〜100万円
事務所開業後のために準備する費用
生活費×12か月分
営業活動費×12か月分
独立事務所を借りる場合 敷金、事務所維持費×12か月分
顧客に満足してもらえるレベルのサービスを提供することが大前提ですが、
それを可能とするための環境設定に投資する費用はできる限り抑えましょう。
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