行政書士会への新規登録の手順
【目次】
「行政書士」になるためには、行政書士試験に合格するだけでは足りません。
合格後に、行政書士会への登録申請をして認められなければいけないのです。
そこで、この頁では行政書士会への新規登録の手順について説明します。
一 登録申請の手順
ざっくり言うと、以下の流れになります。
事務所開設予定地の都道府県行政書士会で「行政書士登録申請書」等の用紙をもらう
↓
必要事項を記入
↓
都道府県行政書士会に「行政書士登録申請書」を提出
(そこから日本行政書士会連合会に提出されます)
補足説明をしていきます。
入会金と会費の納付
申請書類提出時に、行政書士会に入会金と会費を納めることが必要となります。
金額については、後ほど説明します。
申請書類等の入手方法
申請用紙等は
日本行政書士会連合会ホームページからダウンロードすることもできます。
ですが、私は
入会予定の行政書士会に足を運んで、直接申請書等の必要書類をもらう
ことをお薦めします。
というのは、開業してしばらくは、
研修会を受けるなど、行政書士会のお世話になることが多いのです。
なので、せっかくなら開業前から行政書士会に行って、
あなたの「顔」を覚えてもらっていた方が、後々のために良いからです。
行政書士会から直接仕事をもらえることは期待できませんが、
行政書士会にちょくちょく足を運ぶことによって、
そこで先輩行政書士との人脈ができたり、
良い情報が入ったりすることがありますから。
なお、申請書類をもらいに行く際には、職員の方に名刺は渡しません。
初対面の人に挨拶する時には名刺をお渡しするのが社会人としての当然の常識ですが、申請書類をもらいに行く時には、「何者」でもないので、仕方がないのです(前職の名刺を渡すことなど意味不明ですし)。
申請書類を提出する時に「開業準備中の名刺」を持参して改めてご挨拶すれば良いです。
申請書類の作成に関して解らないことも出てくると思います。
しかし、そんな時でも直接行政書士会に行って質問することはNGです。
職員の方々も忙しいのです。「面倒くさい奴」と思われたらマイナスですから(第一印象はずっと引きずります。これ、鉄則です)。
なので、質問は電話でしましょう。
その際、名前は名乗らなくて良いです。「入会希望の者ですが・・・」と言えば、それで通ります。
二 提出書類
1 行政書士登録申請書(日本行政書士連合会規定用紙)×2(正副各1部)
2 履歴書(日本行政書士連合会規定用紙)×2(正副各1部)
3 誓約書(日本行政書士連合会規定用紙)×2(正副各1部)
4 行政書士会入会届 ×1
5 事務所写真
* 各行政書士会によって提出書類は若干異なります(事務所の写真は不要など)ので、
申請先の行政書士会にお問い合わせください。
三 添付書類
1 行政書士となる資格を証する書面×2
※合格証:コピー2部、合格証明書(原本、コピー各1部)、公務員職歴証明書2部
2 戸籍抄本(発行後3ケ月以内)×2(原本、コピー各1部)
※ 外国人は市区町村長の登録原票
3 住民票(「本籍地」の記載があること。発行後3ケ月以内)×2(原本、コピー各1部)
4 身分証明書(発行後3ケ月以内)×1(原本、コピー各1部)
5 事務所の使用権を証する書面×1
※ 賃貸借契約書、登記事項証明書、使用承諾書など
6 事務所の位置図及び平面図×1
7 事務所内部・入り口付近及び外観を示す写真×3(各1部)
8 写真×7
※ 縦3cmx横2.5cm・カラー・無帽・正面上半身・無背景・裏面に氏名を記入したもの
※ 履歴書及び入会届に添付したものを含む
* 各行政書士会によって添付書類は若干異なりますので、申請先の行政書士会にお問い合わせください。
* なお、4の身分証明書の取得に関して、当サイトの読者様から以下のような体験談をお寄せいただきましたのでシェアさせていただきます。
私が役所の窓口で身分証明書を請求する際の印象では、上記要件の身分証明書は、窓口の方にとって、日常的に発行し慣れた書面ではない様子でした。即ち、通常の後見登記についての証明も含まれた証明書ではなく、破産に関する証明のみである事を説明すると、職員の方が数名、時間をかけて協議された上で、当方から取得目的などをきっちり聞き取った上でやっと発行してもらえたような次第です。上記の日行連のHPの記載を控えて窓口に行った方がスムースに手続きできたように思いました。
私キヨシが開業準備をした際には、このようなことはなかったと記憶していますが、役所や担当者によってはこんなこともあるのですね。
開業準備期間中は大変忙しく、役所で無駄に時間を費やしたくはありませんから、念のために日行連のHPを担当者に見せたほうが良いようです。
貴重な情報をお寄せいただき、本当にありがとうございます。
四 登録諸費用
入会金 20万円程度
登録手数料 2万5千円程度
会費 2万円程度(3か月分)
* 各行政書士会によって金額は若干異なりますので、
申請先の行政書士会のホームページなどで確認してください。
参考→東京都行政書士会の入会案内
五 登録免許税(収入印紙)
金額 3万円(収入印紙は郵便局で購入してください)
六 申請後の流れ
申請が受理されると、審査開始(拒否されることもあります)
↓
およそ1カ月〜2カ月後に審査終了
↓
登録・入会完了の通知が郵送される
* 新入会員登録証交付式・研修会の案内も郵送されます
登録の遅れは機会損失
なお、詳細は公表されていないのですが、
月に2回、日本行政書士会連合会において「登録委員会」が開催されます。
「登録委員会」とは、
登録申請をした資格者を行政書士名簿に登録するかどうかを決める委員会です。
16日と30日に開催されるのが通例のようです。
そして、16日の登録委員会で登録が認められた者は翌月の1日に登録されます。
30日の委員会であれば翌月の15日です。
ですから、例えば10月1日から行政書士事務所を開業したいと予定している方は
9月16日の登録委員会で判断される必要があるのです。
そして、そのためには、9月16日までに、
→登録申請書類の提出
→支部会の事務所調査
→都道府県行政書士会経由での一連の書類の日本行政書士会連合会への送達
が、完了していなければならないのです。
もし、9月16日の登録委員会に間に合わなければ、
登録は10月15日にずれ込みます。
当たり前のことですが、
登録・入会が完了しないことには
行政書士業務を行うことはできません。
行政書士会の新人研修や交流会等にも参加できません。
半月の遅れは、かなりの機会損失です。
作れたはずの人脈を作り損なうのです。
受けられたはずの新人研修を受け損なうのです。
ですから、早めに申請書類を提出してください。
自分でコントロールできることは、申請書類を早く提出することだけです。
その後の「事務所調査」の日程は、調査に来られる役員の都合で左右されます。
運が悪ければ、申請書類提出から登録まで2カ月かかることもあるようです。
まずは、とにかく書類の提出!!
そして、待っている間に、
あいさつ回りやホームページ作成などをがんばって進めましょう。
まとめ
行政書士になるには新規登録の手続が必要です。
申請書類の提出先は、入会予定の都道府県行政書士会。
申請から登録完了まで1〜2カ月を要します。
登録の遅れは機会損失につながります。
計画的に開業準備を進めましょう。
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