「国土交通大臣許可」と「知事許可」(許可区分)
それでは、「許可」の分類の第一段階、
すなわち「国土交通大臣許可」と「知事許可」の区別について説明していきます。
1「国土交通大臣許可」か「知事許可」か ←ここです!!
2「特定建設業許可」か「一般建設業許可」か
3「法人の許可」か「個人の許可」か
4「新規の許可」か「許可の更新」か「業種の追加許可」か
では、「国土交通大臣許可」と「知事許可」の定義から確認しましょう。
建設業法第3条第1項に定められています。
(建設業の許可)
第三条 建設業を営もうとする者は、次に掲げる区分により、この章で定めるところにより、二以上の都道府県の区域内に営業所(本店又は支店若しくは政令で定めるこれに準ずるものをいう。以下同じ。)を設けて営業をしようとする場合にあつては国土交通大臣の、一の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業をしようとする場合にあつては当該営業所の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者は、この限りでない。
一 建設業を営もうとする者であつて、次号に掲げる者以外のもの
二 建設業を営もうとする者であつて、その営業にあたつて、その者が発注者から直接請け負う一件の建設工事につき、その工事の全部又は一部を、下請代金の額(その工事に係る下請契約が二以上あるときは、下請代金の額の総額)が政令で定める金額以上となる下請契約を締結して施工しようとするもの
簡単にまとめましょう。
「国土交通大臣許可」とは、
二つ以上の都道府県の区域内に営業所を設置するときに受けなければいけない許可です。
「知事許可」とは、
一つの都道府県の区域内にのみ営業所を設置するときに受けなければいけない許可です。
つまり、営業所が1か所だけであれば、「知事許可」を受ければ良いことになります。
また、営業所を複数設置する場合でも、全て同一都道府県内であれば、
同様に「知事許可」を受ければ良いということなります。
要するに、
「国土交通大臣許可」が必要となるのは、
本店の他に複数の支店を他の都道府県に設けるという
比較的大規模な建設業者ということになります。
個人の、しかも新人の行政書士事務所に
こういう大規模の建設業者が仕事を依頼するということはまず考えられないので、
新人の皆さんは、とりあえず「知事許可」を念頭に勉強されると良いでしょう。
なお、「営業所」とは、
本店、支店、もしくは常時建設工事の請負契約を締結する事務所(建設業法施行令第1条)
をいい、具体的には以下の4つの要素が備わっている所です。
@ 請負契約の見積もり、入札、契約締結等の実態的な業務を行っている
A 電話、机、各種事務台帳を備え、居住部分、他法人または他の個人事業主とは間仕切り等で
明確に区分された事務室が設けられている
B 経営事務の管理責任者または建設業法施行令第3条に規定する使用人が常勤している
C 専任技術者が常勤している
大雑把に言えば、ちゃんと契約を締結するような場所とイメージしてもらったら良いでしょう。
つまり、単なる作業所、工事事務所、資材置場などは「営業所」にはあたらないので、
これらを他府県に設置したとしても「国土交通大臣許可」を要することにはなりません。
なお、「知事許可」を受けた場合、
営業所が同一の都道府県内にあれば良いので、
仕事そのものは他府県で行っても、もちろん構いません。
まとめ
一つの都道府県内の区域内にのみ営業所を設置→「知事許可」
二つ以上の都道府県の区域内に営業所を設置→「大臣許可」
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