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建設業許可の欠格要件


【目次】

 

 

続きまして、建設業許可の5番目の法定要件である
欠格要件に該当しないこと」(建設業法第8条、同法第17条)
について説明していきます。

 

 

 

 

 

 

請負契約を履行するための専門的技術、資金力等が十分に認められる業者であっても、
他人に迷惑をかけたり、公共の福祉を害する危険がある場合は、
許可を認めるわけにはいきません。

 

そして、そのような危険を類型化したものが「欠格事由」なのです。

 

 

 

では、条文を見てみましょう。

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

うんざり・・・・・・(;´Д`)

 

 

ですよね。

 

 

 

まとめましょう!

 

 

 

 

 

建設業許可の欠格要件は、大きく分けて

 

1 許可を受けようとする者の欠格事由と
2 提出書類の欠格事由

 

があります。

 

 

以下、それぞれの場合に分けて説明していきます。

 

 

 

許可を受けようとする者の欠格事由

 

 

まず、「許可を受けようとする者」(建設業法第8条)とは、
以下の者達です。

 

 

個人の場合→その本人支配人

 

法人の場合→その法人役員支店又は営業所の代表者

 

 

 

そして、これらの者が、以下のア〜キのいずれかに該当する場合には
建設業許可を受けられないことになります。

 

 

ア 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの(建設業法第8条第1号)

 

 

イ 不正の手段により許可を受けて許可行政庁からその許可を取り消され、
  又は営業停止処分に違反して許可を取り消され、
  その取消の日から5年を経過しない者(同第2号)

 

 

ウ 許可の取消を免れるために廃業の届出をしてから
  5年を経過しない者(同第3号)

 

 

エ 建設業法に違反して許可行政庁から営業の停止を命ぜられ、
  その停止の期間が経過しない者(同第5号)

 

 

オ 禁固以上の刑に処せられた場合で、
  刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から
  5年を経過しない者(同第7号)

 

 

カ 以下の法律違反行為で罰金刑を受けて5年を経過しない者(同第8号)

 

・建設業法

 

・建築基準法
  施工停止命令違反(9条1項)
  除去等の命令違反(10条前段)
  現場の危険防止違反(88条1〜3項、90条3項)

 

・宅地造成法等規制法
  監督処分違反(14条2〜3項)

 

・都市計画法
  監督処分違反(81条1項)

 

・労働基準法
  強制労働(5条)

 

・職業安定法
  労働者供給事業の禁止違反(44条)

 

・労働者派遣法
  禁止の派遣業務(4条1項)

 

・暴力団員による不当な行為の防止に関する法律

 

・刑法
  傷害罪(204条)
  現場助勢(206条)
  暴行(208条)
  凶器準備集合(208条の3)
  脅迫(222条)
  背任(247条)

 

・暴力行為等処罰に関する法律

 

 

キ 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者で
  その法定代理人が上記の要件に該当する場合(同第9号)

 

 

 

これら欠格事由の全てに該当しないことを確認する必要があります。

 

「建設業許可申請ヒアリングシート」に要確認事項がまとめられていますので、
このシートを使いながらお客様と確認していきましょう。

 

 

 

提出書類の欠格事由

 

 

1 許可申請書又はその添付書類の中に重要な事項について虚偽の事実があるとき

 

2 許可申請書又はその添付書類の中に重要な事実の記載が欠けているとき

 

 

1に関しては申請者のミス(あるいは故意)ですが、
2に該当した場合は行政書士に責任があります。

 

決してミスしないように、慎重に書類を作成しましょう。

 

 

 

欠格事由に関する注意点

 

 

1 申請手数料は返ってきません!!

 

 

建設業許可の申請書提出の際、申請手数料を納入することになります。
一旦納入した手数料は返還されません

 

 

そして、欠格事由の判断は申請書を提出した後(手数料を納入した後)になされます。

 

 

ということは、
欠格事由の存在が判明し、建設業許可が受けられないことになったとしても、

もはや納入した申請手数料は返ってはこないのです。

 

 

 

これはちょっとマズいです。
依頼者の方に非があったとしても、依頼者はやっぱり納得いきません。
トラブルになりやすいです。
支払った報酬だけでなく、手数料も行政書士に賠償請求してくるケースもあります。

 

このような事態にならないように、欠格事由に関しても慎重に判断するよう心がけてください。

 

また、そもそもそれ以前に依頼者と業務委託契約を締結する際に、
上記の様なケースでも報酬や手数料の返還はしない旨を
契約書」に明記して合意しておかなければいけません。
書式集の中の「行政書士業務委任契約書」を使って契約しておけば大丈夫です。

 

 

 

2 役員の犯罪歴に注意!!

 

 

上記した欠格事由の中でも特に注意しなければならないのが、
暴行罪、傷害罪等の刑法違反、つまり犯罪歴です。

 

 

建設業に携わる人に限った話ではありませんが、人によっては気性が荒いタイプもいます。
喧嘩をして他人に大けがを負わせたという過去がある人は、以外に多いものです。
つまり、建設業法第8条第7号、第8号の欠格事由に該当する人は、案外いるのです。

 

 

特に問題となりやすいのが「法人」の場合です。

 

既に述べたように「法人」申請の場合、
代表取締役(社長)のみならず、全ての「役員」に欠格事由があってはいけません。

 

しかし、役員に犯罪歴があっても、社長はそのことを知らないケースもあります。
(建設業界の会社に限った話ではありませんが、そういうことも珍しくないのです)

 

 

ですから、申請手続に入る前に、社長に
「役員の中に犯罪歴等の欠格事由に該当する者がいないかを改めて確認してください」
と、きちんと伝えておく必要があります。

 

言い方によっては社長の機嫌を損ねる可能性もあるので難しいところではありますが、
申請後に欠格事由が判明して許可を受けられなくなったりしたら、もっと大変なことになります。
ですから、そこは上手く聞いてください。

 

 

 

では、仮に役員の中に犯罪歴等の欠格事由があった場合は
建設業許可申請を諦めなければいけないのでしょうか?

 

 

いえ、そんなことはありません。

 

 

欠格事由がある人を「役員」から外して申請したら良いのです。
それで許可を受けられます。

 

 

 

まとめ

 

 

申請者、申請書類の欠格事由も慎重に判断して手続をしましょう。

 

欠格事由の存在が判明して許可を受けられなくなったとしても、
納入した申請手数料は返ってきませんから。

 

 

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