パレートの法則から考える「行政書士は食えない」説と「年収」の実態

パレートの法則から考える「行政書士は食えない」説と「年収」の実態

 

 

 

行政書士は食えない

 

 

結論

 

 

「行政書士は食えない」

 

 

ネットでよく見かけるフレーズですよね?

 

経験を積んだ行政書士であれば、こんなフレーズは即スルーですが、
これから行政書士試験を受けようかと考えている人、
行政書士として独立しようかと考えている人達の中には、
真に受けてしまうケースもあるようです。

 

 

行政書士を目指したところで、食えないんだったら意味ないな・・・」なんてね。

 

 

でも、ちょっと待ってください。
ネット上のネガティブな発言なんて、何の根拠もない無責任なものが大半です。

 

「行政書士は食えない」もその類です。

 

行政書士とはなんら無関係の人達が行政書士をディスって喜ぶのは勝手ですが、
少なくとも自分の人生の選択肢の一つとして「行政書士」を考えている人達が
このような根拠のないネガティブ発言に影響されるのはよくありません。

 

なので、この点について、データを用いて解説していきます。

 

まず最初に結論だけを示します。

 

 

行政書士の年間売上

 

 

行政書士全体の80%は年商500万円未満です。
年商から経費が引かれます。だから所得はもっと低くなります。
しかも、安定していない。
このゾーンにいる行政書士は、
少なくとも収入の面で言えばサラリーマンをやっていたほうがマシ、というレベルですよね。

 

上位20%のゾーンは年商500万円以上です。
ようやく収入面でサラリーマンに追いついてきたかな、というレベルです。

 

そして、上位10%は年商1000万円越え。
このゾーンまで上がれば、一般的なサラリーマンよりも稼いでいることになります。
安定はないけど自由度が高いので、サラリーマンよりも幸福度が高い人が多い、という印象です。

 

そして、ここから一気に上昇気流に乗っていきます。
急カーブを描いて年商が増えていきます。
2000万、3000万、4000万、5000万

 

そして、上位0.6%のゾーンは年商1億円越え。
ここまでくれば完全に実業家ですね。サラリーマンでは足元にも及ばないレベルです。

 

これが結論です。

 

そして、この結論について、これからじっくりと深掘りしていきます。
人生の選択肢の一つとして「行政書士」という職業を考えている人は、
必ずこの記事を最後まで読んでください。
あなたの人生を左右することなる極めてシビアな現実を突きつけますので、
目をそらさずに、全てを受け止めてください。

 

そして、後悔のない選択をしてください。

 

 

できる経営者は重視している!パレートの法則

 

 

本題に入る前に「パレートの法則」を簡単に紹介します。

 

有名な法則なので、ご存知の方も多いでしょうが、
「パレートの法則」とは「全体の80%の結果が20%の原因から生じる」という経済学における法則です。
別名「80対20の法則」とも言います。

 

 

具体例を挙げましょう。

 

・ある会社の営業結果の8割は、上位2割の営業マンだけで達成している
・ある会社の売上の8割は、その会社の商品の中の上位2割から生まれている
・ある会社のサイトへのアクセスの8割は、上位2割のページからきている
・ある会社の成果の8割は、その会社の稼働時間の2割から生まれている

 

こんな感じです。
そして、不思議なことに、どんな会社でも、どんな業界でも、大体このような結果になります。

 

 

さらに言うと、ビジネス以外の領域でも、この「80対20の法則」が当てはまるケースが多いです。

 

例えば、

・世界中のお金の8割は上位2割の人間が所有している
・友人との会話時間の8割は2割の友人で占められている

 

 

また、自然界の現象でも同様のことが起きています。

 

例えば、

・地球上の海の面積と大陸の面積が78:22
・空気は、窒素が78%で、その他が22%
・人間の身体の成分は、水とそれ以外の成分比が78:22

 

自然界では「78:22」になるようですね。
この「78:22」は黄金比≠ニも呼ばれています。
そして、「パレートの法則」も厳密には「78:22」を想定しているようです。

 

 

それから「働きアリの法則」というものもあります。

 

Aというアリのグループがあって、そこに100匹の働きアリがいるとします。
でも、みんなが同じように働いているかというとそうではなく、よく働いているのは20匹だけ。
この20匹が全体の80%の成果を上げているそうです。
そして、これは、どんなアリのグループでも見られる現象です。
ここでも「パレートの法則」が当てはまるのです。

 

さらに面白い実験があります。
Bというアリのグループから、よく働く20匹を取り出して、Aグループに入れたとします。
そうすると、よく働くアリが全部で40匹になりそうなのですが・・・

 

 

行政書士は食えない

 

 

でも、そうはならない。
それまでよく働いていたアリがサボりだすのです。
そして、結局は120匹中の20%、つまり約24匹だけが良く働き、
それまで働いていた残りの16匹はサボっているのです。
つまり、構成メンバーを増やしたとしても、入れ替えたとしても、
結局は「80対20」になるのです。

 

なので、優秀な経営者はわかっています。
どんなに有能な人材をかき集めたとしても、
結局、成果を出す優秀な社員は全体の20%にとどまる、ということを。

 

 

行政書士の年間売上高のデータから考える

 

 

では、話を戻します。

 

もう一度、このデータを見てください。
これは行政書士の年間売上高の統計です。

 

 

行政書士の年間売上

 

 

これは日本行政書士会連合会が実施した「行政書士実態調査」の中のデータであり、アンケートの結果にすぎませんが、私の肌感覚としては大きくずれてはいないと思います。
なお、このデータは「日本行政 2024年3月号」(会員に送られてくる雑誌)に掲載されています。

 

現在、行政書士は約5万人存在します。
統計学上、5万人中の500人(1%)の回答を得られたら、信頼できるデータになるそうです。
令和5年度の回答率は6%、平成30年度の回答率は9%なので、「行政書士実態調査」は信頼できるデータということになりますね。
参照→「調査に必要な対象者数(法務省統計局)」

 

 

では、データに戻りましょう。

 

 

行政書士は食えない

 

 

全体の約80%が年商500万円未満ですね。
中間層だと年商300万円台といったところでしょうか?
そして、そこから経費を差し引いたら、所得は200万円あるかないか、という程度ですね。
うん。
これでは、食っていくのはなかなか厳しい。

 

 

 

年商1000万円越えの行政書士

 

 

しかし、上位20%は年商500万円以上。
上位10%は年商1000万年越え。
そして、上位0.6%は1億円を超えていますね。
さっき、見てもらった通りです。

 

 

では、さらに話を進めていきましょう。

 

 

皆さんの抱いているイメージとは違うかもしれませんが、
実は行政書士の業界には莫大な需要があります

 

例えば、行政書士のメイン業務の一つである「建設業許可申請業務」

 

日本中いつでもどこでも建設業の仕事は発生しています。
巨大なマーケットであることは疑いの余地がありません。
しかも、市場規模はいまだに右肩上がりです。
参照→「国土交通省資料

 

さらにいうと、建設業界はいわゆる政権を守る扇の要≠ナす。
自民党が日本建築業連合会に送った「公共工事を出すから金を出せ」という文章はあまりにも有名ですが、とにかく建設業界には国から莫大なスケールの公共事業が発注されます。
そして大手ゼネコンから一次下請け、二次下請けと、裾野にまで仕事が広がっていきます。
国が需要を作ってくれるので、建設業界が廃れることはありません。
公共事業という太い収入源があるので、民間事業も広く手掛けることができます。
廃れようがないのです。

 

なお、令和5年の自民党の裏金キックバック問題の発覚を受けて、令和6年の国会で政治献金規制法が改正されましたが、ふたを開ければ、穴だらけのザル法。
根本的に問題を解消する気がない事は明らかです。
例え政権が交代したとしても、建設業界と政治との蜜月関係が消滅することはないでしょう。
なぜなら、この関係が消えたら、お互いが既得権益を失うだけでなく、日本経済全体がバランスを崩しておかしくなるからです。
実際、2004年に全国の談合組織が解体されてゼネコン資本主義が終焉を迎えたかに思われましたが、結局はすぐに元の木阿弥です。
つまり、これからも建設業界の潤いは続きます。歴史が証明しているのです。

 

 

そして、この状況は私たち行政書士業界にも大きな影響を及ぼしています。
法律が、建設業の許可申請代行を行政書士の独占業務≠ニ定めてくれているのです。
つまり法律が、行政書士に対して莫大な需要を作ってくれているのです。
建設業許可申請というひとつの業務だけでも十分すぎる需要があるのです。

 

 

そして、行政書士の業務はそれだけではありません。
産廃許可、農地転用、入管、法人設立、飲食店営業許可、補助金申請、遺言書作成、遺産分割協議書作成、離婚協議書作成などなど

 

絶対になくなることのない需要で満ち溢れています。

 

つまり、行政書士の業界には莫大なお金が降って落ちてきているのです。
しかも、毎年。来年も、再来年も。5年後も10年後も。
法律が需要を作ってくれているので、廃れることはない。

 

フィルム写真店やレンタルビデオ店やユーチューバーなどとは違うのです。
少なくとも、私たちが生きている間に行政書士業界が廃れることは考えられない。

 

 

なお、AIの進化により行政書士の仕事はなくなるのではないか?という声も聞きますが、
なくなりません。
なぜなら、AIは進化するけど、それを使う人間が進化しないからです。
どんなに優秀なAIが登場しても、それを使いこなせる一般人はほとんどいないのです。

 

令和6年2月、私は新人行政書士のために「建設業許可申請業務サポーターきよし君」という
カスタムAIをリリースしました。

 

 

行政書士AI

 

 

でも、このAIを使って一般人が建設業許可申請をひとりで完成できるかといえば、それはできない。
なぜなら、AIを使いこなすためのプロンプト、つまり的確な指示を出せないからです。
これからもっと優秀なAIが出てくるでしょうが、それでも使う側の人間が進歩しないので、
行政書士の需要がなくなることはありません。

 

税理士だってそうでしょ?
会計ソフトが出てきて、誰でも確定申告ができるようになったにもかかわらず、
税理士の需要はなくなりませんでした。
会計ソフトなんて、AIの操作に比べたら簡単ですよ。
でも、多くの人はそれすらできない。やらない。
面倒なことを勉強してそこに時間を使うくらいなら、お金を出してさっさと終わらせたいんですよ。
これが大多数の一般人の感覚です。

 

ホームページ作成会社も未だに存続してますよね。
ホワイトハットのSEOに強いホームページだって、今なら素人でも作れます。
なのに需要があるのです。

 

コンビニ弁当だって売れてるでしょ?
レシピなんて無料で手に入るのに、簡単なのに、面倒だから料理をしないんですよ。

 

 

怠惰で、勉強嫌いで、面倒くさがり

 

 

これが庶民の実態です。
だから、代行業がなくなることはないのです。

 

つまり、今後も行政書士の需要がなくなくことはありません。
この業界にはこれからも膨大なお金が流れてきます。
それは間違いありません。

 

 

しかし

 

 

その大量の需要のほとんどを上位の行政書士がごっそりと持っていく

 

上位20%の行政書士が80%の需要を奪っている

 

 

これが行政書士業界の実態です。

 

 

でも、これは行政書士業界だけの現象ではありません。
どんな業界でも、大体同じような現象が起きています。

 

例えばラーメン市場は莫大ですが、その需要の大半は上位の大手チェーン店が奪っています。
小売店の業界もそうです。
運送業界もそう。

 

つまり、需要はあっても、それが平等に分配される事なんてありえません。

 

大事なことなので、もう一度言いますよ?

 

 

需要はあっても、それが平等に分配されることはない

 

 

どんな業界でも、需要の80%は上位20%の強者が持っていきます。
そう。
パレートの法則が当てはまるのです。
市場競争が起こると、どんな業界でも、だいたいこの結果になるのです。
行政書士として独立開業を考えている人は、まずはこの現実を直視してください。

 

 

ここで、余談を挟みます。
かつては、弁護士になれば誰でも稼げるといった時代があったそうです。
しかし、今はその弁護士でも、約35%は所得500万円以下。
これが現実です(弁護士実態調査)。

 

では、なぜ昔は弁護士は皆稼げていたのかというと、需要に対して供給が少なすぎたからです。つまり、長らく司法試験合格者数が500人程度の時代が続いていたので、弁護士の数が圧倒的に足りていなかった。だから、市場原理が正常に働いていなかったという歪な構造があったからです。

 

しかし、今では、弁護士の数は増加し、弁護士業界も正常な市場原理が働いています。
なので、需要の大半は上位20%程度の弁護士が持っていき、下位80%の弁護士はたいして稼げてはいないのです。
これが現実です。
どの業界でも、パレートの法則に沿った結果が現れるのです。

 

 

話を戻します。
要するに、行政書士業界も例に漏れずパレートの法則が当てはまっているということです。

 

つまり、行政書士として独立しても、まともに食えるのは上位2割にすぎないということ。
そして、それは異常な現象ではないということ。
どんな業界でも、どんなビジネスでも、独立開業して勝者になれるのは、上位2割にすぎないということ。

 

まずは、この現実を知ってください。

 

 

サラリーマンは不平等な均衡社会

 

 

日本の子供達はほぼ全員が義務教育を受け、そして高校に進学します。
そして、近年は「全入時代」といわれるように、大学進学を希望すれば誰でも大学に進学できる時代になっています。
そして、大学卒業後は大半の人が企業に就職し、サラリーマンとして生きていきます。

 

この過程でも、一応の競争はあります。
高校入試も大学入試も就職活動も競争です。
就職した後も、会社内での競争があります。

 

しかし、それは本当の意味での競争ではありません。
受験で言えば、第一志望以外にも、自分のレベルにあった滑り止めを受けることができます。
就職でも同じです。仮に正社員になれなかったとしても、非正規の仕事は探せば必ずあります。
就職後も会社内での競争がありますが、脱落したからといって、給料がもらえなくなるわけではありません。
生活できなくなるという状況には陥りません。

 

つまり、義務教育→受験→就職という一般的なルートに乗っていれば、
セーフティーゾーンに守られた競争しかないのです。

 

しかし、そのルートから外れたら、本当の意味での競争にさらされます。
独立開業したら、市場原理が働くむき出しの競争社会≠ナ生きていかなければならないのです。

 

 

では、さらに深掘りしていきますよ。

 

 

需要がある業界に参入するチャンスは誰にでもあります。
しかし、そこで勝者になれるのは上位2割のみ。
下位8割だと、残り物の需要を拾っていくしかありません。
中間層以下だと、それこそ食っていくことさえ難しい。

 

行政書士業界で言えば、上位0.6%は年商1億を超えているのに、中間層よりも下は年商300万未満といったところ。
廃業する人も多いでしょう。

 

つまり、努力できる人、結果を出せる人は青天井で稼ぐことができますが、
努力できない人は生活することすらできなくなるのです。

 

でも、これは努力と成果が正当に評価されているという事です。
つまり、平等な格差社会なのです。

 

 

一方で、サラリーマン社会はどうか?
同じ会社に働くサラリーマンの中には、優秀な人もいれば、
平凡な人、仕事ができない人もいます。
パレートの法則に従えば、社員の2割が優秀で、残り8割はそうではない社員となります。

 

では、優秀な2割の社員が、給料総額の8割を会社からもらっているか?といえば、そうではない。

 

もし、実力と成果を正当に反映すれば、
ごく一握りの年収1億を超えるサラリーマンがいて、
それ以外の300万円以下の社員が大量に存在する、さらにその中には食えないサラリーマンもいる、
ということになるはずなのですが、そうではない。

 

給料は平等に分配されます。

 

もちろん、年功序列や出世のスピードによって、
実際には給料の差が数倍くらいに広がることはあります。
でも、その程度の差は単なる誤差です。
5倍、10倍、100倍と広がることはない。
努力、成果は反映されない。

 

そう。
サラリーマン社会は、不平等な均衡社会なのです。
努力が正当に評価されないのです。

 

つまり、市場原理が働く資本主義社会にあるにもかかわらず、
サラリーマン社会の給与体系は歪な形をしているのです。

 

ここで、ちょっと補足します。
サラリーマンが所属している会社そのものは、むき出しの市場競争に晒されています。
日本には約421万社の企業が存在しますが、その中で上場している会社は約3,823社。
つまり、日本の企業全体に占める上場企業の割合はわずかに0.09%です。
たったの0.09%

 

お恥ずかしい話なのですが、私は大学入学当初は、企業は上場しているのが普通であり、上場していない会社は落ちこぼれの会社なんだ、くらいの認識でした。
私が知っている社会人、先輩のほとんど全てが上場会社に勤めており、私の大学の卒業生も上場企業に就職するのが当たり前の環境だったので、その当時の私はいわゆる世間知らず≠セったわけです。

 

でも、上場会社って超勝ち組なんですよね。いや、超・超・超勝ち組です。
行政書士で言えば、年商1億円以上稼いでいる上位0・6%の人以上に凄い事なのです。
さらに言えば、いわゆるブラックな中小企業だって勝ち組です。おそらく上位20%には入っているはずです。
なぜなら、多くの社員を雇って、長時間労働を課すくらいに仕事があるわけですから。
ブラック企業だって市場競争における勝者なのです。

 

要するに、企業に就職できた社員は、もともと勝ち組の船に乗っているのです。
だからセーフティーゾーンで守られているのです。
この船から飛び出すという事は、無防備な状態で荒波に飛び込む事だと自覚しなければいけません。

 

 

独立するマインドはできてますか?

 

 

行政書士として独立を考えている人の中には「行政書士は食えない」といったネット上のネガティブ発言に感情を揺さぶられる人がいます。

 

あるいは、ネットで「行政書士の平均年収」といった検索ワードを打ち込む人もいます。

 

でも、ここまで読んでくれたあなたなら、もうお分かりですよね?

 

まったくもってナンセンスです。

 

 

例えば「レンタルCDショップを開業して食えますか?
と聞かれたら「食えない」となるでしょう。
需要は減少の一途をたどっており、回復の見込みがないからです。
実際、多くの業者がこの事業から撤退していっています。競争がなくなりつつあります。
このような業界は死を待つのみです。

 

 

では「行政書士事務所を開業して食えますか?
と聞かれたらどうか?

 

すでに説明した通り、行政書士業界には莫大な需要があります。
需要が減る予兆はありません。今後も需要は生まれ続けます。
そして、需要があるところには参入があります。
毎年、参入してくる新人行政書士が後を絶ちません。
厳しい市場競争が繰りひろげられます。
そして、この競争で勝者になれるのは上位2割のみ。
以上。

 

つまり、「行政書士は食えますか?」といった質問自体に意味がないのです。

 

業界には需要があります。
稼げる環境は整っています。
あとは、あなたが勝者になれるかどうかという問題です。
環境の問題ではなく、あなた自身の問題です。
だから、他人に答えを求める問題ではないのです。
あなた自身に戦う覚悟があるのかどうか、という問題なのです。

 

 

行政書士の平均年収はどれくらいですか?

 

これも意味ないですね?
このような質問をするということは、完全にサラリーマン思考に毒されているということです。

 

サラリーマンになるのであればいいですよ。
「あの会社の社員の平均年収はどれくらいだろう?」と気にするのはいいです。
なぜなら、サラリーマンは不平等な均衡社会ですから。
成果主義を導入する企業が増えてきているとはいえ、それでも完全な実力社会ではありません。
当該会社の平均年収は目安になります。
多少の誤差は生じますが、予想外に稼げたり、逆に生活できなくなるような事態にはなりません。
大体、想定内の給料になります。

 

でも、「行政書士の平均年収はどれくらいですか?」って・・・

 

ネットで検索すると「行政書士の平均年収は600万円」などと言った情報が出てきますが、何の根拠もありません。
そもそも行政書士に年収を公表する義務などありませんから。
確定申告は義務ですが、それが統計として公表されるなどありません。

 

なので、ズバリ言います。

 

行政書士の平均層は負け組です。
ざっくりいえば年商300万円未満といったところでしょう。
おそらく、そんなもんです。

 

そもそも、独立開業して平均なんて目指していたら勝てません。
これは行政書士に限った話ではありません。
どんな業種でも、独立して、その結果平均≠セったらまともに食ってはいけないのです。
どんな業種でも上位20%に入らなければ勝者にはなれないのです。
ここはパレートの法則が適用される世界なのです。

 

なので、「平均」を望むような人は、不平等な均衡社会で生きていきましょう。
それしかないですよ。
そのような人は、独立を目指せるようなマインドではありませんから。

 

 

市場競争の勝者になるためにやるべきこと

 

 

これまでの記事を読んで、独立開業がいかにシビアな世界であるか、ある程度分かってもらえたと思います。

 

しかし、それでも行政書士として独立したい!と思う方も中にはいらっしゃるでしょう。
そこで、そのような方のために、どうすれば勝者になれるかを、できるだけ具体的に解説していきたいと思います。

 

これから述べることは既に他のページでも言ってきたことですが、とても重要なことなので改めて解説していきます。

 

 

目標設定

 

 

まずは目標設定ですね。
最低限の目標として上位10%に入ることを目指してください。
つまり年商1000万円以上。

 

「いや、年商600万円もあれば十分だから上位20%でいいよ…」なんて甘い考えだと、
平均にも届かないはずです。
全力で上位10%に這い上がることを目指してください。
ここを目指せない弱いマインドなら独立開業なんてやめておいたほうが良いです。
甘ちゃんが生きていける世界ではありませんから。

 

 

ノルマ設定

 

 

目標が決まったら、次はノルマの設定です。

 

「年商1000万円超えるぞ!」と誓っただけで達成できるはずがありません。
計画的な行動が必要です。

 

ここで基本となるのが「売上の公式」を使うことです。

 

 

 

行政書士年商1000万円

 

 

この公式の詳細は「行政書士が年商1000万円を生み出す法則」にまとめているので後で読んで欲しいのですが、ここでも簡単に説明します。

 

 

見込客数 × 成約率 × 客単価 = 売上

 

 

上記3つの変数の掛け算で売上が決まります

 

例えば、年間で

@ 見込み客数:50000人
A 成約率:0.1%
B 客単価:10万円のサービス一つ

だとします。

 

この例だと、

50000×0.001×100000=5000000
 

年間売上500万円ということになります。
これでは、足りませんね。年商が1000万円を超えるように、変数を上げないといけません。

 

 

そして、変数の上げ方には順番があります

 

 

@見込客数を上げる→A成約率を上げる→B客単価を上げる

 

 

この順番で上げていきます。

 

例えば、上記の例で年商を1000万円に上げるためには、
まずは見込み客数を2倍にするのです。
つまり、

100000×0.001×100000=10000000

 

@→A→Bの順番で上げなければならない理由も上記の記事で解説しているので、後で読んで理解してください。

 

 

というわけで、開業前、そして開業直後の新人行政書士はまずは「見込客数」を上げることに集中しましょう。
つまり、行政書士となる自分の存在を広く知ってもらうのです。
認知を広げないと話になりませんから。

 

そして、基本的には

 

@ ブログ記事を書く

 

A 名刺を配る

 

B チラシを配る

 

この3つですね。この3つを実行しましょう。

 

それ以外にも、セミナーを開く、無料相談会を開催するなどありますが、
新人がこれらをいきなり開催するのは難しいので、後回しで良いです。
また、SNS営業は手軽に始められますが、行政書士の見込み客の特性上、メインの集客ツールにはならないので、やるとしてもあくまでもサブです。
参照→「行政書士のSNS活用法

 

とにかく、行政書士はブログ、名刺、チラシ。
これは新人でもすぐにできることなので、必ずやります。

 

しかも、上位10%に入るだけの数をこなします。
当然ですよね?上位10%を目指すのですから。
まずは見込み客数で上位10%に入ります。

 

といっても、いきなりベテラン行政書士の見込み客数と勝負しても勝ち目はありません。
なので、まずは周りの同期の新人の中で上位10%に入るだけの数をこなしましょう。

 

具体的には、

 

ブログは毎日1本

 

名刺は月に100枚

 

チラシは月に2000枚

 

最低限、これくらいは実行しましょう。
開業直後は仕事がほとんどないので、時間はあります。できない理由はありません。

 

周りの新人でここまでしている人はほとんどいないはずです。
なぜなら、ほとんどの新人はその他8割の行政書士≠ノなっていく人達だからです。
でも、あなたは上位10%に入る人です。
だから、これくらいやるのは当然です。

 

でも、これだけではありません。
その前にやることがあります。

 

 

開業前から宣伝活動

 

 

開業前からブログを開設し、そして、開業準備中の名刺を配ってください。
開業して半年経っても仕事がない新人行政書士の共通点」で詳しく説明していますが、開業してから宣伝活動を始めても、遅すぎます。

 

もう一度言います。

 

 

遅すぎます

 

 

認知が広がるには時間がかかるのです。

 

 

開業してからは、行政書士会の会費、テナント料、広告費、通信費、光熱費、交際費、交通費などなど、経費がどんどん流れていきます。
それなのに仕事がない時期が続くと、用意しておいた準備金がどんどん減っていきます。

 

非常にヤバいです。底知れぬ不安に襲われます。
そして、やがて資金が尽きて、あるいは、その前に精神をやられて廃業していく新人が後を絶ちません。

 

なぜ、このような新人が多いのか?

 

それは開業前の宣伝活動をしていないからです。
それに尽きます。

 

 

ブログを立ち上げろ!

 

 

なので、まずは開業前にブログを立ち上げましょう。
立ち上げ方は「ブログ作成講座」で完璧に解説していますので、その通りにやってもらえれば良いです。
動画でも解説してます。

 

 

行政書士ブログ

 

 

 

そして、できれば開業の半年前に、遅くとも3か月前には立ち上げましょう。
なぜなら、立ち上げたサイトにアクセスが集まり始めるには最低でも3か月はかかるからです。
普通は半年以上かかります。
だからフライングスタートしないと間に合わないのです。
そして、開業前は仕事がないので、1日1本アップしていきましょう。
できない理由はありません。

 

なお、ブログは事務所所在地や電話番号が決まる前でも始めることができます。
事務所が決まる前から始められる宣伝活動はブログだけです。
だから、なおさらブログはやるべきです。

 

 

ビビらず名刺を配れ!

 

 

次に名刺。
事務所所在地、電話番号、Fax番号、ホームページのURLが決まったら、
直ちに開業準備中の名刺を配りましょう。
そして、最低でも500枚は配りましょう。
作り方は「開業準備中の行政書士の名刺」で解説しています。

 

 

開業準備中の行政書士の名刺

 

 

 

なお、開業前に名刺を配るのはちょっと・・・と躊躇する人がいます。
要は、行政書士法第19条の2に違反するんじゃないかと心配しているわけです。

 

(名称の使用制限)
第十九条の二 行政書士でない者は、行政書士又はこれと紛らわしい名称を用いてはならない。

 

でも、この条文は開業前の名刺配布を禁止しているわけではありません。
「行政書士」と誤認させるような名刺でなければ違反はしないのです。

 

と、私は何度も何度も、サイトや動画やコメントを通して言ってきました。
なのに、それでもビビッてやらない人がいます。

 

 

勝つ気ありますか?

 

 

上位20%に入らないと生きていけない世界に飛び込むんですよ?
なんで、ファイティングポーズもとれないんですか?
殴られるのが怖いからリングに上がらないんですか?

 

そんなんじゃ、勝負にもなりませんよ。
そんなマインドなら、さっさと尻尾を巻いて帰ってください。

 

 

実務の勉強に時間をかけるな!

 

 

行政書士として成功するためには、営業だけでなく、
その前提として実務の勉強もしなければいけません。
当然のことです。

 

でも、ここに時間をかけすぎてはいけません。
いきなり専門書を買い込んできて、それで勉強を始める人がいますが、
それでサクサク進みますか?
よほど頭が良い人はサクサク進むのかもしれませんが、凡人には無理です。私も無理でした。
だから、予備校の実務講座を受けて、さっさと基本業務全ての全体像をつかみましょう。
それが一番速いです。

 

 

行政書士実務講座

 

 

 

実務講座は高額だから受けないほうが良いという意見もありますが、どうなんでしょうね?
時間よりもお金が大切ってことですか?
違いますよ。

 

ビジネスはスピードが命です。
お金で時間を買って、その時間でお金を生むのです。
経営者になるのなら、消費者マインドから卒業して投資家マインドを身につけなければいけないのです。

 

実務の勉強にダラダラ時間をかけていたら、その間仕事はできませんよね?
お金が入ってこないのです。
だったら、さっさと講座を受けて全体像をつかんで、その後は全力で営業すべきです。
そして、仕事を取ってきて、わからないことは手引書や専門書を読み込んで、完成させる。
これが一番速いやり方です。

 

受験勉強もそうですが、未知の分野を初めて学ぶときは、独学よりも人から教わる方が速くて安全なのです。

 

行政書士試験は11月上旬。合格発表は翌年の1月末。
自己採点で合格点を上回りそうな人は、さっさと実務講座を受けて発表前に仕上げておきましょう。

 

そして、講義を受けた復習としてブログ記事を書く。
開業前に実務の基本とブログの土台のできあがり。
一石二鳥なのです。

 

 

みんながやればみんな勝てるのか?

 

 

上記のように、開業前に実務の基本を仕上げて、ブログと名刺で認知を広げる。
そして、開業後はブログ毎日1本、名刺月100枚、チラシ月2000枚のノルマをこなす。
これを継続できれば、今ならば上位10%に入れるはずです。

 

しかし、もしも、これから開業する新人行政書士のみんながこのノルマをこなすようになったらどうなるか?
全員が年商1000万円を超えるのか?

 

そんなわけはありません。
みんなががんばっても、行政書士の需要が増えるわけではありません。
パイの数は決まっているのです。

 

もちろん、超カリスマ行政書士が多数出現して、世間に対する行政書士の信頼度が爆上がりして、その結果、他士業の需要が行政書士業界に流れるくらいになればパイは増えます。
しかし、そのような劇的な変化がない限り、行政書士の需要が増えることはありません。
ブログ毎日1本、名刺月100枚、チラシ月2000枚くらいでカリスマ行政書士になれるわけがないので、劇的な変化は起きません。

 

なので、全員が上記のノルマをこなしても、結局年商1000万円を超えるのは上位10%に限られます。
だから、どんな状況になっても、常に全体の中の上位10%に入る努力をする。
その結果上位20%に入ることができたら稼ぐことができる。
しかし、そこから脱落したらまともに稼ぐことができない。

 

これが市場競争の実態です。
このことは一瞬たりとも忘れないでください。
各業界でトップを走り続けている経営者は、どんなに稼いでいても一瞬たりとも危機感をなくすことはないのです。

 

 

まとめ

 

 

行政書士の業界は莫大な需要で溢れています。
しかし、需要が平等に分配されることはありません。
どんな業界でも、勝者になれるのは上位20%

 

「行政書士は食えますか?」と人に聞くことは無意味です。
「自分に戦う覚悟があるのか?」
これに尽きます。
最低限やるべきことはすでにお伝えしました。

 

「やる覚悟があるか?」

 

答えはあなたの心の中にあります。

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