開業時における実務スキルの到達目標
実務経験のない新人行政書士でも、開業時には備えていなければならない実務スキルがあります。
それは相談者からの問い合わせに的確に対応できるスキル≠ナす。
当たり前と言えば、当たり前の話なのですが、
しかし、実際にはそう簡単は事ではありません。
というのも
最近の相談者はレベルが高い方が多いのです。
その原因はインターネットの普及でしょう。
例えば、建設業許可申請の相談。
当初から行政書士に申請手続の全てを任せようという依頼者ももちろんいます。
しかし、最初は自分で申請手続をしようとして頑張ってみたが、
どこかで行き詰って止む無く行政書士事務所に相談してきた、というパターンも多いのです。
この手の相談者は、管轄の許可行政庁が発行する「建設業許可申請の手引き」を読んでいます。
そして、その過程で解らない部分があれば、インターネットで調べる努力をしています。
(本と違って無料で情報が入りますからね)
しかし、それでも解らない。
だから、仕方なく専門家≠ナある行政書士に相談に来たのです。
そういったある程度レベルの高い相談者から質問を投げかけられた時に
「えっと・・・それは・・・」
と、言葉に詰まるようでは、とても仕事の受注にはつながりません。
それどころか、
「こいつ、ぜんぜんダメじゃん」
と、一瞬で信用を失い、
その人を起点としてあなたに対する悪評が流れていく危険すらあります。
例えばあなたがかかった医者がそんな人だったとしたら・・・
「あそこの医者、ヤブだよ」
そうなりますよね?
あるいは飲食店に例えたら
「最近開店したあの店はマズいからやめとけ」となるわけです。
ヤバいですよ
そして残念なことに、そういった新人行政書士は以外に多いのです
その主たる原因は、
行政書士試験の内容と行政書士の基本業務の内容があまりにもかけ離れていることと、
新人行政書士を教育する体制が行政書士会に整っていないことにあります。
新人がスタートで失敗してしまうのは、まぁ無理もないことでしょう。
しかしそんなことは相談者には関係ありません。
素人である自分の方が詳しい(ある程度会話をすれば、それは見抜かれます)
という状況に直面し、
目の前にいる行政書士が詐欺師≠ノすら見えるでしょう。
これはもちろん建設業許可申請業務に限った話ではありません。
例えば、
遺言書作成の相談にしても、最初は自分で書こうとしたが躓いたという相談者も多いのです。
内容証明なども同様です。
その他の各種許認可もまた然りです。
新人行政書士でも、こういったレベルの相談者を相手にしなければならないのです
なので、
とにかく、なんとしても開業までに
相談者からの問い合わせに的確に対応できるスキル≠身につけてください。
それも行政書士の基本業務の全てに関して、です。
もしそれができなければ、相談者からの信頼を失います。
しかも、それはあなただけの問題ではありません。
たとえ一人でも相談者からの問い合わせに答えられない行政書士≠ェいれば
「行政書士」という資格そのもののレベルが低いと思われてしまうのです。
残念ながら、現状ではそういう雰囲気があります。
例えば、
「行政書士は弁護士より格下だから報酬も安いだろう」という理由で
安さを求めて内容証明の依頼をしてくる客がとても多いのです。
それが現在の世間の見方なのです。
現状を変えましょう!!
行政書士と他士業の差は「職域」なのです。
資格としての格や専門性のレベルが違うのではありません。
例えば、内容証明作成のスキルが高いのであれば、
そのスキルに見合った高い報酬で仕事を受注してもいいのです。
だが、それも
各行政書士が専門家≠ニ言えるだけのスキルを実際に身につけていること
が大前提です。
仮に「A」という行政書士の業務スキルが高くても
「行政書士全般」のスキルが低ければ(世間にそう思われていたら)
結局は「A」行政書士も報酬を低くせざるを得なくなってしまうのです。
がんばってスキルを身につけましょう!
もちろんすぐに高いレベルのスキルは身につかないでしょう。
経験が必要です。
しかし、何度も言っているように、
少なくとも相談者からの問い合わせに的確に対応できるスキル≠ヘ
開業前に身につけてください。
このスキルがなければ、経験そのものができませんから。
まとめ
事務所開業までに必ず
相談者からの問い合わせに的確に対応できるスキル≠身につけなければならない。
これが出来なければ、
仕事をとれないだけでなく、
悪評が流れ始めることになる。
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- 予備校の実務家講座を受けた後にやるべきこと|問い合わせはある日突然やってくる
- 予備校講義を受けて基本業務の全体像は掴んだ後は、補強したい業務に絞って専門書を選び勉強を進めれば良い。この段階になると問い合わせにも対応できる。上手く面談に誘導して仕事につなげよう。本当のスキルは実務を経験しなければ身につかないのです。