職域を知らないと逮捕されますよ!
【目次】
行政書士はプチ弁護士≠ナはない!
よくドラマなどで
行政書士が依頼者とトラブルになっている相手方と示談交渉≠するシーンがありますよね?
嵐の櫻井翔が主演した「特上カバチ」でもありました。
こういったテレビの影響か、
行政書士がまるでプチ弁護士≠ンたいなイメージを持っている新人もいるようですが・・・。
行政書士が報酬を得る目的で「示談交渉」することは、弁護士法72条に抵触します。
つまり「犯罪」なのです。
弁護士法72条(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。
実際に、示談交渉をして「逮捕」された行政書士もいます。
逮捕された行政書士本人は
「弁護士法に抵触するという認識はなかった」
と言っていたそうですが、そんな言い逃れは通用しません。
これは犯罪なのです。
実務経験がないまま開業する行政書士は大勢います(というか、ほとんど)。
なので、行政書士の職域(業務範囲)について正確に把握していない状況で仕事を受注してしまう新人も少なからずいます。
しかし、それはとても危険なことなのです。
「逮捕」とまではいかずとも、
行政書士の職域を超えるようなことをしてしまったら大変なトラブルになります。
他士業との業際問題
弁護士との関係だけではありません。
公認会計士、税理士、司法書士、社労士などなど、
それぞれの士業にはそれぞれの職域、すなわち縄張り≠ェあります。
そして、それぞれの士業の縄張り同士がぶつかり合う部分があり(業際という)、
そこから生じる「業際問題」が深刻になっているのが昨今の現状なのです。
どの士業も生き残りのための競争が厳しくなっています。
そのため、他の士業から職域を荒らされたりしたら大きな問題に発展してしまうのです。
(まるでヤクザの世界の話のようですが、実際にそうなっているのです)
事務所経営が軌道に乗る前に、新人行政書士がこの手のトラブルを起こしてしまったら、
再起不能となる恐れもあります。
そんな事態にならないように
事務所開業の前提として、まずは「行政書士の職域」をしっかりと勉強してください。
次のページで行政書士の職域につき具体的にお話しします。
なお、行政書士会入会後、
各単位会で「職域」についての新人研修を実施するところもありますが、
(ないところもあります)
それを受ければ十分というものでは到底ありません。
ここは、自己責任でしっかりと勉強しなければならない分野なのです。
まとめ
行政書士が依頼者の相手と示談交渉をしたら犯罪になる。
行政書士の職域を知らずに業務を遂行すると逮捕されることもあるのだ。
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