行政書士のみなさん!「無料相談」はやめましょうよ!
【目次】
最近の行政書士のホームページを見ると
「初回の相談は無料です!」と、無料相談を謳っている事務所が大変多いです。
確かに、「無料」は相談者にとってメリットであり相談はたくさん来るようにも思えます。
でも、実際にはこの手法で上手くいっている事務所は多くはないと思いますが・・・
無料相談=安い行政書士
既にお話ししましたが、「安い料金設定」は「安い客」を呼びます。
無料相談は究極の安い料金です。
これに惹かれてくる客は、やっぱり安い客≠ナす。
安い客は、タダで情報をもらいに来ます。
無料相談だけで自分の抱えている問題を解決しようとするのです。
一つの事務所での相談で問題を解決できなければ、その他の事務所の無料相談に行きます。
つまり、無料相談で成約に至る率は低いのです。
一方、本気で自分が抱えている問題を解決しようとする良い客≠ヘ
安さで士業を選ぶことはありません。
専門性の高い士業を探します。
この層の客はお金より時間を大切にします。
価値のない無料相談で貴重な時間を浪費しようとは思いません。
この客層にとって「無料相談」はマイナスの印象しか与えないのです。
会場を使って大勢の人を集める「無料セミナー」、「無料相談会」は別です。
これらのイベントには特別感があり、安い印象は与えません。
(人が大勢集まっていれば・・・ですけど)
例えば、
もし初回の診察料を「無料」とする病院が仮に合法的に存在するとして
そこにかかる患者がどれほどいるでしょうか?
よほど貧乏な人であればかかるかもしれませんが
ほとんどの人はその病院にはかからないと思います。
だって、「無料」の医者の腕なんて信用できませんから。
士業だって同じです。
居酒屋の1杯目のビールじゃないんです。
市民が抱える深刻な問題を解決するための「専門家」なのです。
その専門家のサービスが「無料」だなんて普通じゃないですよ?
動画で自己紹介をすれば良い
無料相談を実施している行政書士の中には、このようにお考えの方もおられるでしょう。
「いや、安さを売っているわけではない。お客様としても行政書士と一度会ってその人柄と接して
みなければ、仕事を依頼すべきかどうか判断できないだろう。だから、やっているんだ」
と。
でも、それって効率が悪すぎませんか?
大勢の見込み客を会場に集めてする無料相談会や無料セミナーなら良いですが、
たった一人の相談者を事務所に呼んで、その人だけのために1時間ほどの時間を無償で費やす。
これはどう考えても時間と労力の無駄ですよ。
その前後の時間の使い方も制約されますし。
しかも、そこからいったい年間に何人の顧客が生まれるというのでしょう?
「1対1」のビジネスを無料でするなんて、はっきりいって無謀です。
その上、良い客が離れていきます。
やめましょう。
それよりも、無料で自分の人柄をアピールしたいのであれば、
ホームページ上でyoutube動画を配信すればいいのです。
数分間の動画で
自分が提供できるサービスや行政書士としての理念などを
わかりやすく伝えれば良いのです。
簡単なことです(参照→「YouTube入門」)。
時間も費用もたいしてかかりません。
それでいて、大量の人に自分の人柄をアピールできます。
見る人にとっても、わざわざ事務所に行くよりははるかに敷居が低いのです。
インターネットを使えば、「1対無限」の営業活動が容易にできますよ?
レバレッジを利かせた営業ができるのです。
士業のビジネスも、もはやそういう時代に入っているのです。
やってる人は、とっくにやっています。
士業で価格破壊が起こっている理由
そもそも、なぜ無料相談をする行政書士事務所がこれだけ増えてしまったのでしょうか?
やっぱり「目先の客」が欲しいからなのでしょう。
専門性では弁護士等の他士業に勝てない、
同業者である行政書士も大勢いる、
その中で自分を選んでもらうためには安さ≠ナ勝負するしかない、と。
この現象は基本業務の料金設定にも現れていますね。
報酬額自由化前の建設業許可の報酬額は約25万円でした(行政書士旧報酬額表)。
ところが、現在の相場はおよそ12万円程度(最近の報酬額の相場)。
半額以下です。
そして、この相場よりも安い価格で受任している行政書士事務所がたくさんあります。
(最頻値が10万円)
これからもっと相場は下がっていくでしょう。
そんな報酬額で割に合いますか?
みんなが自分の事、目先の事しか考えずに料金を低く設定しているから
こうなってしまったのです。
でも、労働集約型ビジネスである行政書士が価格競争をしてしまうと、
全ての行政書士事務所の経営が成り立たなくなっていきます。
業界そのものが死んでいくのです。
自分も死にます。
負のスパイラルです。
だからもうやめましょう。
安さを売るのはやめましょう。
士業の売り≠ヘ士業としての専門性です。
ここで勝負すべきです。
そうでなければ成り立たないビジネスモデルなのです。
やり方はすでにお話しした通りです。
スキルの高い行政書士はたくさんいらっしゃいます。
後は、そのスキルの高さを見込み客にアピールするだけです。
ホームページをしっかり作り込みましょう!
人のいる場所に出掛けて人脈を広げましょう!
注力すべきはそこなのです。
時間はかかりますけど、先を見通して成果の出る努力をしましょう。
無料相談なんかで安い客の相手をしている場合ではありませんよ?
まとめ
無料相談はやめるべき。
無料相談は悪い客を呼ぶ。
無料相談は良い客を遠ざける。
価格競争はゆっくりとゆっくりと、全ての行政書士を滅ぼしてゆくのです。
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- 労働集約型ビジネスである士業で安い料金設定にしたら、労働時間を増やさないと利益はでません。価格競争をする行政書士は衰退するしかないのです。成功したいのであれば、報酬の安さではなく専門性の高さを売りにしましょう。
- 行政書士が高い報酬額で良い客を掴む方法
- 高いスキルと人脈があれば、行政書士の専門性は見込み客に伝わっていく。またホームページの「Q&A集」を詳しく書くことでスキルの高さを具体的に示すことができる。行政書士は価格競争をするのではなく、サイト作成、人脈作りに注力すべし。