建設業許可申請業務の流れ(手続の全体像)

建設業許可申請業務の流れ(手続の全体像)

 

まずは、建設業許可申請業務の全体像をざっくりとまとめてみました。

 

大雑把な流れは以下の通りです。
この業務を勉強する際、そして実際に業務を遂行する際には
常にこの全体像を意識して、今どこをやっているのかを見失わないようにしてください。

 

 

 

(1) 依頼者と相談(打ち合わせ)

 

* チェックリスト等で要確認事項を隈なくチェックする

 

    ↓
(2) 検討作業

 

@ 建設業許可が必要なケースであるかを検討
    ↓ 必要な場合
A どの種類の建設業を選ぶかを検討(業種区分)
B どの種類の建設業許可に該当するかを検討(許可区分、般・特区分等)
C 要件(5つ)を満たしているかを検討

    ↓
(3) 申請書類の作成
    ↓
(4) 申請
    ↓
(5) 審査
    ↓
(6) 許可

 

* 知事許可→大体1〜2カ月
  大臣許可→大体3カ月

 

 

なお、事前に揃えておくべきものが二つあります。

 

 

@ 申請先の都道府県の「建設業許可申請の手引き

 

建設業許可申請業務のやり方は基本的に全国共通ですが、
細かい部分では各都道府県特有のルールがあります。
よって、それぞれの管轄の行政庁が作成している「手引き」は
必ず用意しておかなければいけません。

 

なお、手引書自体は購入するものですが、
ホームページからダウンロードできるところもあります(できないところもあります)ので、
各管轄の許可行政庁に問い合わせてください。
各都道府県の許可行政庁は、この一覧表で確認できます。

 

 

A 建設業許可申請業務を遂行するための書式

 

申請手続を完了する過程において、お客様から様々な情報を聞きとらなければいけません。
その際にどうしても必要となるのが、必要確認事項等が整理されている「チェックリスト」等の
書式です。
これがないと、必須事項の確認を落としてしまったり、誤った判断をする等の危険があります。

 

建設業許可申請の手続全体を十分に理解したうえで、
必要な書式を自分なりに作成しても構わないのですが、
現実的に考えて新人行政書士にそれは無理でしょう。
ですから、「書式を作成するなんてできません!」のページで紹介した書式集を購入されることを
奨励します。

 

その書式集の中で、「建設業許可申請業務」に使用するものは、主に以下の書式です。

 

・建設業関連様式(計37種類のシート)
・建設業許可要件チェックリスト
・建設業許可申請準備書類チェックリスト
・建設業 選任技術者の指定学科要件チェックリスト(一般建設業 )
・建設業許可申請確認書類チェックリスト(大臣許可)
・建設業許可申請業務の委任状
・行政書士業務委任契約書

 

 

これらの書式を使うことにより、スムーズに業務を遂行することが可能となります。

 

 

それでは、次頁以降において、各ステップごとの検討作業について説明していきます。

 

 

まとめ

 

 

建設業許可申請業務の流れを頭に入れましょう

 

 このエントリーをはてなブックマークに追加 

ホームページ作成マニュアル ブログ作成マニュアル
名刺作成マニュアル 職印作成の作法
書式 実務講座

関連ページ

建設業許可申請業務のススメ
建設業許可申請業務のメリットは継続性です。5年ごとの許可更新、事業年度終了ごとの変更届(事業報告)、指名入札参加のための「経営事項審査申請」等、定期的に仕事が発生します。行政書士事務所経営の安定化を図るためにも、得意にすべき業務です。
建設業許可の必要性の判断
建設業営業には例外的に許可が不要な場合があるので(建設業法第3条第1項但書)、建設業許可申請の相談を受けたら依頼者の許可の必要性を判断します。なお、許可が不要であっても他の法律で登録や届出が必要な場合もあります。
許可の対象となる建設業の種類の選択(29の業種区分)
許可の対象となる建設業の区分は建築業法第2条第1項別表1条欄に定められている。2つの一式工事と26の専門工事。計28種類の建設業。この中から5つの法定要件を全て満たす建設業を行政書士が選択する。依頼者が決めるのではない。
建設業許可の該当性判断(許可の種類)
建設業の「許可」には、国土交通大臣許可、知事許可、特定建設業許可、一般建設業許可、法人の許可、個人の許可、新規の許可、許可の更新、業種の追加許可という種類があります。申請前にどの許可に該当するかを正確に判断しましょう。
「国土交通大臣許可」と「知事許可」(許可区分)
「国土交通大臣許可」と「知事許可」の違い、そして「営業所」の概念を正確に理解しておきましょう。なお、「知事許可」を受けた場合、営業所が同一の都道府県内にあれば良く、仕事自体は他府県で行うことも許されます。
「特定建設業許可」と「一般建設業許可」の区別
特定建設業(建設業法15条以下)は下請人保護のための制度で法令上特別の義務があります。依頼を受けた建設業許可申請が「一般建設業」か「特定建設業」かを正確に判断できるようにしましょう。
「法人の許可」と「個人の許可」
「法人の許可」の中でも特に難しいのが組合。指名入札の二重参加の脱法行為に利用される等の危険があるため、その審査は厳格になる。しかし、新人行政書士の事務所に依頼があるのは通常は「個人の許可」。これは難しくはない。
「新規の許可」「許可の更新」「業種の追加許可」の区別
「建設業許可」は「新規の許可」「許可の更新」「業種の追加許可」に分類されます。そして「新規の許可」には「許可換え新規」「般・特新規」を含みます。なお、許可の有効期限は5年です(建設業法第3条第3項)。行政書士の方から顧客に知らせましょう。
建設業許可の五大要件
建設業許可の五大要件は@経営業務管理責任者A専任技術者B請負契約に関する誠実性C財産的基礎と金銭的信用性D欠格要件に不該当です。依頼者にしっかりヒアリングし、要件該当性を判断し、証明のための書類を集め、作成しなければいけません。
経営業務の管理を適正に行うに足りる能力があること【令和2年建設業法改正の目玉】
建設業界の取引の安全を担保するための許可要件が「経営業務管理責任者」です。つまり許可を与えるにふさわしい過去の経験と役職を持つ者が人的要件として要求されます。ただし、高齢化した業界を維持させるために令和2年の改正でこの要件は緩和されています。
専任技術者(センギ)の要件
専任技術者と認められるには法定の条件(学歴、実務経験、資格)を満たし、それを証明することが必要です。各条件を定める建設業法、建設業法施行令、建設業法施行規則の条文、表を理解し、使えるようにしてください。
請負契約に関する誠実性
建設業法、建築士法、宅地建物取引業法等で「不正」又は「不誠実な行為」を行い免許等の取消処分を受けて5年を経過していない者などは「誠実性」(建設業法第7条第3号)の要件を欠き、建設業許可を受けられません。が、そういった過去がなければ認められます。
請負契約を履行するに足りる財産的基礎または金銭的信用性
一般建設業許可は財産的基礎又は金銭的信用性が要件となります(500万円以上の自己資本額または資金調達能力)。特定は財産的基礎だけ(欠損の額が資本金の額の20%未満、流動比率が75%以上、資本金の額が2,000万円以上)です。
建設業許可の欠格要件【要注意!納入した申請手数料は返ってきません!】
申請者、申請書類毎に欠格事由があります。申請後に判断されるので欠格事由が判明し建設業許可を受けられなくても手数料は返還されません。なので申請前に行政書士が慎重に判断する必要があります。特に法人申請の場合の役員の犯罪歴は要注意。

ホーム RSS購読 サイトマップ
自己紹介 登録申請まで 申請後〜開業前 営業 実務 受験